はじめに工場内を案内しながら醤油を造る工程の説明をいたします。
杉の壁で覆われた木造3階づくりの醸造工場は、昭和初期から中期にかけての醤油出荷量の増加に伴い、3代目が増改築したものです。
工場の構造も見所のひとつです。麹づくりから仕込み、もろみの貯蔵、搾り、火入れまでの5つの工程の作業場は建物の高低差を巧みに利用して配置され作業が効率的にスムーズに進むように工夫されています。
見学を通して、工場の考え抜かれた構造からは職人たちの知恵を、そして半世紀以上働き続けている機材と、所々に残されている役目を終えた機材からは、時代の流れと醤油屋の変遷を感じていただけると思います。
次に醤油の原材料や味の違いなどの醤油に関するいろいろな話をさせていただきます。
所要時間は45分程です。普段、何気なく使っている「お醤油」に興味を持っていただけたらと思っています。
大正時代初期に建てられた工場横の建物は販売所・体験スペースになっています。販売所には造り方、原料の違う醤油、戦後づくり始めたソース、さらに味噌、クッキー、煎餅などの品々が並んでいます。
工場・店舗家屋それに続く離れの3棟は2016年に国の登録有形文化財に指定されました。どうぞ「なつかしい空間」「タイムスリップしたような空間」にぜひお越しください。
また、醤油搾りや味噌づくりなど体験にご興味のある方は、「醤油搾り・味噌づくり体験」のページへおすすみください。
お醤油づくりには人の手による「ひとてま」と、微生物が働き発酵するための「時間」が欠かせません。工場に入った瞬間に、まるでタイムスリップしたかのような懐かしさと、四季によって変化するもろみの香りに包まれながら、昔ながらの伝統的な製法を見学いただけます。